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お越しいただきありがとうございます。 美術や制作物関連の雑談がメインです。 色々勉強中ですが宜しくお願いします。

作品への想いを言葉にすること

人はみな自分を知ってもらいたい

私は何かを作るとその”想い”を語ります。作ったきっかけや意図なんて当然で、苦労話なんかも相手が興味あるかないかなんて考えず話したくなります。

果たしてその話はプラスに働くのでしょうか。

私の失敗から

私は以前、販促の仕事をしていました。お客様へ提案をする仕事です。当初は限られた時間内に伝えられることを全て伝えようと必死でした。その必死さが裏目にでていたのですね、お客様は置いてきぼりです。

それは「相手が聞きたくない(相手が聞いても意味がないと思っている)ことは私が伝えたいこと」であり独りよがりな話ばかりだったように思います。

これが月日は経ち仕事にも慣れてきた私は、必死さは変えずお客様に伝えることは選ぶようになっていました。それによりお客様の置いてきぼりな状態は軽減し、会社への貢献にもつながっていきました。

美術も社会生活の延長

美術作品であっても作品の”想いを相手に伝えることを抑えること”は多分大事なのではないかと思います。

それを意識したきっかけとなった作品がキオグリフィスさんのwhite houseです。この作品はあいちトリエンナーレ2016で体験しました。この作品は様々な国の言語で話される声を集めている作品で、暗い部屋の中でその様々な声を聴くのです。私はこの作品を二回体験しました。今回のトリエンナーレの中で一番印象に残っている体験だからです。暗い部屋を進んでいくと音がします。視界が働かない中耳だけが頼りな状態で、聞き取れない言語の中に聞こえる日本語。その日本語もなんの脈絡もない話が様々な方向から聞こえる。私は孤独を感じて怖くて胸がドキドキしました。とても興奮したことを覚えています。

部屋を出て他の作品を回った後に、もう一度この部屋に訪れました。一度目の時に読まなかった作品説明を読んでおこうと思ったからです。その作品説明には私にとってはどうでもいい解説が書かれていました。その作品意図を知った上で体験したこの作品には私が感じたドキドキ感は一切なくなんとなく説教じみた思いをしただけでした。注)それでも今回の作品の中では最も印象に残っている素晴らしい作品でした。

 

トリエンナーレの作品説明は本人が書いたものではないのかもしれません。

しかし作品に対する思いや意図を伝えることがプラスに働かない場合もあるのではないかと感じるきっかけになった作品でした。